競争というのは、脳を興奮させ生のエネルギーを増幅させる反面、それが過度なものになると反対に生を消耗させるものです。実際企業のトップの人には、仮面ウツにかかっている人も少なくありません。
仮面ウツとは、傍からはわからないけど、中身はウツ病という病態です。
本人にもウツ病の自覚はないのですが、偏頭痛や腹痛など体に原因不明の異状が表れるのです。精神症状が前面に出ていれば、うつ病の診断が容易にできるのですが、仮面うつ病は身体症状が前面に出るので、「体の調子が悪い」ということで、内科などの精神科以外で受診をしてしまうと判断が難しくなり、原因不明のままで治療を続けてしまうことになります。
このような人はビジネス社会の勝者なわけですから、学習性無力感はないのではないかと思われるかもしれません。しかし、そうした成功者にもある種の避けがたい無力感があるのだと思います。
ビジネスの競争というのは際限がありませんから、たとえある競争に勝っても次は負けるかもしれない、だから安堵する暇もなく次に挑み続ける。
そして勝ち負けが最終的に決まることのないその競争は果てしなく続いていくのです。
PR